2020年6月22日にインディーゲーム開発者のDavid Oreilly氏は以下のようなツイートとともにオープンソースとして自身のゲーム『Everything』のために作成した3Dデータを公開しました。
Starting today and thru the coming months I will be releasing my entire collection of 3d models. The EVERYTHING LIBRARY contains thousands of original models I made over a 10 year period. I devoted most of my adult… https://t.co/5N097kFjwW
— david oreilly (@davidoreilly) June 21, 2020
Starting today I'm open sourcing all my 3d models, under the name Everything Library:https://t.co/DKtfHM7qoI
— david oreilly (@davidoreilly) June 21, 2020
David Oreilly氏は10年以上、大人になってからのほとんどの時間をつぎ込み、これらの3Dデータを作成したそうです。
これらの3Dデータを配布した理由として、3Dは高価であったり、技術的に難しかったりし、ハードルが高かったためだと述べています。
また、多くの人々にとって良い出発点になることを望んでいるようです。
この3Dモデル群は fbx , blend , glb , Unity 形式で提供されているため、変換する必要なくゲーム、アニメーション、デザイン、視覚化、AR、VR、ホログラムなどで簡単に使用できます。
Everythingについて
David Oreilly氏による制作のEverythingは2017年にPS4・PC・Mac・Linuxにて配信されたシミュレーションゲームです。
今年の2月13日には日本語にも対応し、なんとNintendo SwitchのeShopでもリリース開始しました。
Game Of the Year 2017
Gamasutra Best 10 Games of the year
Polygon # 9 GOTY
Wired: The Best Games of 2017
The Guardian Top 5 of 2017
AV Club's Favorite Games of the Year
Alphr: Best PS4 Games in 2017
The New Yorker - Best Video Games of 2017
などの数々の賞を受賞しています。
プレイヤーは動物、惑星、細菌などの様々なものになることができ、AIによって自動生成されたワールドを探索することができます。
ワールドには話すことができる動物や植物や細菌などが存在し、話しかけると哲学的な話をプレイヤーにしてくれます。
また、ある場所を調べると、哲学者アラン・ワッツのナレーションがどこからか聞こえてきます。
クリアしなければならない課題もなく、ただ無限に広がる世界を探索する……。これはゲームというよりはアートに近い作品だと感じました。
実際に私も購入し、遊んでみました。
ゲームが始まって最初に操作する動物はオカピでした。
ステージは砂漠で自分が操作するオカピ以外にもシマウマやラクダなどの動物、バオバブやサボテンや名前の知らない木などが所々におり、その一部は私に不思議な話をしてくれました。
ゲームを進めていくと『サガル』『アガル』という操作が出来るようになり、さらに大きな惑星単位の操作や、細菌単位の操作もできるようになりました。
(実際にはこれより大きい単位の世界や小さい単位の世界もありました。)
この感覚は私にとって全く新しい体験で、その気になれば何時間でも遊べてしまいそうな気がしました。
さらにコレクション要素もあり、様々なモノと話した会話内容や操作したモノなどが記録されていくため、それをコンプリートするといった遊び方もできそうです。(どれだけかかるかわかりませんが……)
Steamでは、スペシャルプロモーションで7月10日までセール価格で購入することができます。
https://store.steampowered.com/app/582270/Everything/
「Everything Library 01 – Animals」
そのEverything Libraryの第1弾として公開されたAnimalsですが動物に限らず、昆虫なども含まれている239種類の3Dデータのセットでした。
公開されたデータをBlenderで開いてみたところ、非常に軽量ですべてのモデルを表示させてもPCに負荷はかかりませんでした。
ゲーム制作において無料のものを集め、ゲームに置いていくと、製作者が違う画風が異なる3Dモデルが並び、世界観がゆがむことがあります。
膨大な種類があるDavid Oreilly氏の3Dモデルで統一することで、世界観が統一でき、より一層個人製作ゲームのクオリティが上がると考えています。
全体的にローポリで作られているため、リグを入れれば簡単にアニメーションさせることもできそうです。
また、配布はitch.ioを通して行われていて、ダウンロードの際に1ドルから寄付することができます。
※ライセンスはMIT Licenseのため著作権表示を作品に記載する必要があります。
今後の公開について
今回、公開を開始した「Everything Library 01 – Animals」は動物に絞ったものですが、David Oreilly氏は今後もリリースしていくとのことです。
ゲームには動物以外にも植物や乗り物や建物なども使われているため、ステージ作りなどにも使えることでしょう。
今後のそちらの3Dデータの公開にも期待です。
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